食事

【食品添加物】の本を14冊を読んで分かった付き合い方の指針

長生きしようと思った時、体に悪いと言われている「食品添加物」や「超加工食品」について、正しい知識を身につけた上で、どのように付き合っていくかを決める必要があります。

食品添加物」や「超加工食品」について、本を14冊読んだら新しい情報が出てこなくなり、考え方が見えてきましたのでまとめたいと思います。

結論
  1. 食品添加物単体の毒性は、それほど気にする必要はない。
    それより、自然食品を含めた口に入れる物質全体のリスクについて考える。カビ毒や食中毒菌等。
  2. 食品添加物が悪いということではなく、栄養バランスや塩分・脂肪・砂糖の取りすぎ、野菜不足の問題で超加工食品は控えた方が良い。
  3. 添加物が悪いというわけではないが、これまでの人類の歴史の中で摂取されてこなかった物質であり、リスクが見えていない部分もあるかと思われる。
    「カビ毒の発生といったリスク」と「ベネフィット」を天秤にかけた上で、カビ毒などのリスクがないのであれば添加物がそれほど入っていない食品を選ぶ。
    ただし、①でも書いたように、それほど気にしない

それでは、詳しく見ていきます。

参考にした書籍・論文・ホームページ等

特に参考になった本には◎、〇、読まなくてもよかった方には×をつけています。

食品添加物に関する書籍

  • ◎長村教授の正しい添加物講義 長村 洋一 (著)
  • ◎食品添加物ほんとうの話 三輪 操 (著)
  • ◎食品添加物はなぜ嫌われるのか-食品情報を「正しく」読み解くリテラシ(DOJIN選書 83) 畝山智香子/著
  • 〇医者が食べない危険な食品-最新科学が証明する、食品リスクのプロファイル(エイムック 4145)
  • 〇食品添加物用語の基礎知識-食品添加物600種類の危険度がわかる- 第2版 小薮浩二郎/監修
  • 食のリスク学-氾濫する「安全・安心」をよみとく視点- 著者名 中西準子/著
  • Dr.白澤の ゆる無添加のすすめ やっぱり心配 添加物と超加工食品 白澤 卓二
  • 知らないと危ない!ズルい食品ヤバい外食 著者名 河岸宏和/著
  • 食品を科学する-意外と知らない食品の安全- 著者名 食品の安全を守る賢人会議/編著
  • 面白いほどよくわかる「食品表示」 著者名 垣田達哉/著
  • ×みんなが気になる食の安全55の疑問 実際にどう危険なのかデータをもとに徹底検証!! 垣田 達哉  (著) 
  • ×選ぶならこっち!-食べて安心な食品の見分け方- 著者名 垣田達哉/著
  • ×ちょっと高くても、コッチ!-食品選び・おとなの知恵- 著者名 小薮浩二郎/著
  • ×危ない食品たべてませんか-有害物質、添加物はわが家で落とせた! 改訂新版 最新版増尾清/著

その他参考書籍

  • フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠 マイケル モス (著), 本間 徳子 (翻訳) 
  • 科学者たちが語る食欲 デイヴィッド・ローベンハイマー (著), スティーヴン・J・シンプソン (著), 櫻井 祐子  (翻訳) 

論文

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食品添加物単体の毒性は、それほど気にする必要はない。

まず、食品添加物に関する本は添加物擁護派否定派に大きく分かれています。様々な本を読んだ感想は、

  • 添加物を擁護している本には、科学的な内容が書かれている。
  • 添加物否定派の本は、恐怖を煽るがあまり科学的な内容ではない場合が多い。

です。

否定派は食品添加物には発がん性や毒性があるため徹底的に添加物を避けた方が良いという考えが多いようです。

それに対して擁護派は、野菜の中にも発ガン性物質が含まれていることを例に取り、毒性が出るかは「量」の問題であると述べています。

そして、現在一般的に使用されている食品添加物の量であれば、少量の摂取なので問題ない、としています。

詳しく見ていきましょう。

食品添加物の基準値について

添加物の基準値と実際の使用量について、内閣府食品安全委員会の資料にわかりやすい説明がありました。

ある化学物質を、人が一生にわたって毎日摂取し続けても、健康上の問題が生じないとされる量を「ADI (一日摂取許容量)」といいます。

図:内閣府食品安全委員会より

実際に基準値を決める際は、さまざまな動物実験によりその物質の無毒性量を特定します。

これを人に当てはめるため、より安全を見て、動物と人との違い、個人差、年齢などを考慮し無毒性量に100分の1をかけて、ADI(一日摂取許容量)を設定します。

食品添加物の使用基準値の決め方

食品添加物の使用基準は、実際に食べる量がADIを大幅に下回るように、厚生労働省によって定められています。

下の図は食品添加物が実際にどのくらい使用されているか示した図です。(内閣府食品安全委員会 資料より)

例えば、ソルビン酸のADIは、毎日、体重1kg当たり25mgなので、体重50kgの人の場合、1日当たりの摂取許容量は、1250mgとなります。

ソルビン酸における日本人の平均1日摂取量は、6.35mgで、これはADIの0.5 1%に当たり、人が毎日一生涯食べ続けても健康への悪影響が出ない量であるADIを 大幅に下回っています。

実際の摂取量がかなり少ないことから、食品添加物については、そこまで気にする必要がないと私は考えました。

口に入る物質全体のリスクを考える

様々な本を読んで私が気に入った考え方は、

自然食品を含めた口に入れる物質全体のリスクについて考える」ことです。

カビ毒や食中毒菌が増えてしまうのを防ぐため、防カビ剤や保存料を使うことはリスクに対してベネフィットが大きいということです。

食品添加物よりも、もっと気にするべきことがあるということが分かりやすく示されている図をNPO法人「食の安全と安心を科学する会」理事長の山﨑毅さんがTwitter上で紹介していました:

これを見ると、食品添加物よりもカビ毒であったり、野菜を摂取しないことの方が発癌リスクに影響があることがパッと見てわかりやすいですね。

発がんリスク因子

発がんリスクの影響に関する資料が環境省HPにありました:

こちらの図は少し古いアメリカ人のデータですが、食品添加物が癌の発生因子のごく1部でしかないことが分かります。

ADI(一日摂取許容量)を大幅に下回るように使用基準が決められている食品添加物よりも、他のもっと重要なことを気にしたほうがよさそうです。
食品添加物を避けることでがんになる危険性が劇的に減るということもありません。

カビの予防等、健康上のベネフィットがある場合、食品添加物はむしろ使用したほうが良いと言えそうです。

超加工食品は栄養バランスにだけ注意すればよい

食品添加物を調べていると、食品添加物自体が悪いということではなく、むしろ、

添加物を使った「超加工食品」を食べることで栄養バランスや塩分・脂肪・砂糖の取りすぎ、野菜不足になることが、より問題であるということが見えてきました。

「超加工食品」の研究

「超加工食品」については、2019年2月にアメリカの一流医学雑誌「JAMA Internal Medicine」にフランスの研究班が4万4000人を対象に7年かけて調査した「超加工食品」の消費と死亡リスクとの関連を示した論文が発表されました。

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2723626

この論文では、45歳以上の参加者のデータを解析し、超加工食品の摂取割合が10%多くなった場合、死亡リスクも14%上がっていた、と報告しました。

しかし、この論文、調査方法やディスカッションに疑わしい部分もあり、色々と批判も出ているようです。
参照:「“危ない超加工食品”を鵜呑みにしてはいけない」

超加工食品が悪者であるというより、塩分・脂肪・砂糖の取りすぎや野菜不足が健康に良くなさそうです。

加工食品は上手に利用してバランスのよい食事を取るのが良いことでしょう。

砂糖、脂質、塩分は依存性がある

書籍「フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠」には、食品会社が食品を売るために、糖、脂質、塩分の配合やその他のイメージ戦略が巧妙に組み込まれていることが書かれています。

消費者をその食品に依存させる安くて手っ取り早い方法が、塩、脂質、糖を使うことで、これらには依存性があります。取り過ぎないように注意しましょう。

私は超加工食品は減らし、自炊します。

加工食品の選び方

添加物が気にするほど悪いというわけではないことが分かりました。

しかし、添加物はこれまでの人類の歴史の中で摂取されてこなかった物質であるため、リスクが見えていない部分もあるかと思われます。

書籍「科学者たちが語る食欲」でも、現代人が直面している肥満等の健康上の問題は、適応が不可能なほど急激に食環境が変わっているせいだと考察しています。(ちなみにこの本は栄養に関する示唆を与えてくれて、かなり面白かったので超おすすめです。)

また、添加物否定派の意見として、添加物の安全性に関する問題点が以下の通り指摘されています。

  • 動物だけでの安全性試験
  • 添加物を複数接種した場合の毒性評価がされていない問題
  • 食品中での変化の問題
  • 添加物の品質や不純物に関する問題

発がん物質を生成するカビの発生といった「リスクとベネフィットを天秤にかけた上で」選べるのであれば添加物がそれほど入っていない食品を選ぶことでも良いと思います。

ポイント:
「ゆる無添加」で加工食品を選ぶ。

今回、どんな目的で添加物が使用されているかについても、かなり勉強になりましたので良かったです。ゆる無添加をする上で、食品添加物のベネフィットを知っておくことも重要だど思います。

まとめ

以上、私が食品添加物や加工食品に関する様々な本を読んでの結論をまとめますと:

①食品添加物単体の毒性は、それほど気にする必要はない。

それより、自然食品を含めた口に入れる物質全体のリスクについて考える。カビ毒や食中毒菌等。

ポイント:
食品添加物にあまり神経質になりすぎない。

②食品添加物が悪いということではなく、栄養バランスや塩分・脂肪・砂糖の取りすぎ、野菜不足の問題で超加工食品は控えた方が良い。

ポイント:自炊を多めに。

添加物が悪いというわけではないが、これまでの人類の歴史の中で摂取されてこなかった物質であり、リスクが見えていない部分もあるかと思われる。

カビの発生といったリスクとベネフィットを天秤にかけた上で、カビ毒などのリスクがないのであれば添加物がそれほど入っていない食品を選ぶ。
ただし、①でも書いたように、それほど気にしない

ポイント:「ゆる無添加」で生活する。

神経質になりすぎても良くないです。超加工食品の消費は少なめにして、食べるときは少し注意するくらいでちょうど良いと思います。

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