歯医者に行くことは重要でも、どんな歯医者に行っていいかわからない、どのように探していいのかわからない、という方は多いのではないでしょうか。
また、今行っている歯医者が良い歯医者か分からない、歯医者に「抜歯しましょう」と言われて大丈夫かなぁと思っている方もいると思います。
歯について本を沢山読んだり勉強して分かりましたが、歯科医の診断能力やスキルには大きな差があります。
そのため、初診時だけではなく、抜歯やインプラント等の大きな歯の治療をする際も歯科医院選びは重要になります。
私も色々と失敗してきました。。。
色々と紆余曲折がありましたが、歯についてかなり本を読んで調べ、ネット等でも勉強した結果、歯科医院を選ぶ基準が分かってきました。
私が歯科医院を選ぶ基準は以下の4点+αです。
- 感染対策が十分されている。
- 最新の歯科医療情報をアップデートしている。
- 歯科衛生士が辞めずに長く働いている。
- 歯科医や歯科衛生士が自分にあっている。
- +α (治療がある際は)
複数の治療方針を紹介し、それぞれのメリットとデメリットをしっかり説明してくれる
私自身、こちらの基準で歯医者を探し、良い歯医者にめぐり会うことができました。
探し方も含め、以下に記載しましたので、参考になれば嬉しいです。
参考にした書籍論文ホームページ等
ホームページ
読売新聞 ヨミドクター「歯科院内感染、進まぬ対策」2017
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170828-OYTET50037/
厚生労働省 資料「歯科医療(その2)」https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000576450.pdf
書籍
「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」 齋藤博 (著), ヨシタケシンスケ (イラスト), 木野孔司 (監修)
歯科医の能力には大きな差がある
まず、初めに強調したいのが、「歯科医の診断能力やスキルには大きな差がある」ということです。
例えば、
「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」という書籍に以下の例が紹介されていました:
A歯科医院では「抜歯してインプラントにしましょう」と強く勧められたが、
B歯科医院に行くと「抜いたらもったいない。根管治療をすれば腫れは引きます。長く使えるようにしましょう」と言われた。
このようなケースでは、歯を残せるのにA歯科医院のみにかかっていれば抜歯するしかありません。とても悲しいですよね。
私の体験談ですが、あまり良くない歯医者ですと、歯茎を無断で削られたり、親知らずを簡単に抜かれたりしました。
(親知らずを抜くのは最終手段です。以下の記事参照)
また、特に人気のない歯医者ですとお金のためと思われるような色々な治療を追加されたりする事もありました。
歯科医の診断能力やスキルには大きな差がありますので、自分の身を守る為にも良い歯科医院を見つけることが重要です。
歯科医院を選ぶ基準
歯について本を読んだりネットで勉強した結果、歯科医院を選ぶ基準が分かってきました。
私が歯科医院を選ぶ基準は以下の4点+αです。
- 感染対策が十分されている。
- 最新の歯科医療情報をアップデートしている。
- 歯科衛生士が辞めずに長く働いている。
- 歯科医や歯科衛生士が自分にあっている。
- +α (治療がある際は)
複数の治療方針を紹介し、それぞれのメリットとデメリットをしっかり説明してくれる
私自身、この基準で歯科医院を探し、現在は良い歯科医院に巡り合えています。
それでは、詳しく見ていきます。
感染対策について
2017年の読売新聞で、厚生労働省研究班調査から、全国の歯科医療機関の半数近くが、歯牙切削器具を患者ごとに交換せずに使い回している可能性があることが報道されました。院内感染のリスクが浮き彫りになったとしています。(読売新聞 ヨミドクター「歯科院内感染、進まぬ対策(2017年)」)
では、感染対策をしっかりしている歯科医院を判断するにはどのようにすれば良いでしょうか。
答えは「歯科外来診療環境体制加算1」を取っている歯科医院を探せば良いです。
まず、歯科医院の感染対策には2つの基準があります。
- 基準①:「初診料の注1に規定する施設基準」と呼ばれる基準です。
- 基準②:より厳しい基準で、「歯科外来診療環境体制加算1」です。
具体的に見ていきます。
基準①「初診料の注1に規定する施設基準」について
2018年から基本の感染対策をしていない歯科医院は初診料・再診療が引き下げられたため、現在では95%の歯科医院がこの基本的な感染対策の施設基準を満たしています。(厚生労働省 資料「歯科医療(その2)ページ5 」より)
初診料が下がらないための施設基準:
- 歯科外来診療における院内感染防止対策につき十分な体制が整備されていること。 (患者ごとの交換、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理)
- 歯科外来診療における院内感染防止対策につき十分な機器を有していること。 (筆者注:滅菌機器、洗浄機器のこと)
- 歯科外来診療における院内感染防止対策に係る研修を受けた常勤の歯科医師が1名以上配置されて いること。
- 歯科外来診療の院内感染防止対策に係る院内掲示を行っていること。
こちらは最低限の感染対策となります。
基準②「外来環1」について
続いて、より厳しい基準の「歯科外来診療環境体制加算1(外来環1)」についてです。
こちらは上記基準①を満たした上で、さらにプラスの感染対策と安全対策(AEDの設置等)の基準が設けられています。
外来環には様々な基準がありますが、感染対策部分の基準のみを抜粋すると、
「歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯牙の切削時等に飛散する細かな物質を吸収できる環境を確保していること。」
という基準があります。(厚生労働省 資料「歯科医療(その2)」p7より)
「歯科用吸引装置」とは「口腔外バキューム」と呼ばれているもので、治療中に飛散する水や唾液、金属の破片を口の外で吸い込む装置のことです。
バキュームあり/なし について、分かりやすい比較がYouTubeにありました。
こちらからもわかるように、口腔外バキュームがあると、他人から飛び散った菌の感染の心配が低くなります。
ちなみに、「外来環2」というものもありますが、こちらはさらに厳しい基準があり、申請している歯科医院はかなり少ないです。
外来環2の追加基準:
「歯科外来診療において発生した医療事故、インシデント等を報告・分析し、その改善を実施する体制を整備していること。」
歯科医院を選ぶ際は最低でも「外来環1」の届出を行っていることを選択基準にすれば良いと考えます。
上記の基準を満たしているか確認する方法
確認方法①:医療費明細書を確認する
2022年3月現在、「歯科初診料が261点」、「歯科再診料が53点」の歯科医院は最低ラインの基準①を満たしています。
さらに、歯科医院の領収書に「外来環1」、「外来環2」、「再外来環1」、「再外来環2」と記載があれば外来環の基準②を満たしていることになります。
確認方法②:地方厚生局HPで確認する
医療費明細書がない方や、新しい歯科医院を探している方は以下の方法で外来環を取得しているか確認できます。
- まず、地方厚生局の都道府県事務所のホームページにアクセス。(「地方厚生局 東京」などで検索)
- 「所管法人等」のコーナーにある「保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧」をクリック。(無ければサイト内検索してみてください。)
- 「施設基準の届出状況」のところの、見たい都道府県の「歯科」をクリックし、歯科医療機関一覧のPDFファイルを開く。
- ファイルの「受理番号」の列に、(歯初診)があれば最低ラインの感染対策を実施しており、(外来環1)or(外来環2)の記載があるところは、感染対策をしっかりしている可能性が高いです。
因みにこちらは届出制ですので、100%完璧とは言い切れませんが、最低限こちらを確認して、「外来環」の歯科医院を選びましょう。
最新知識のアップデートについて
医者も同じですが、歯科医を選ぶ時、その歯科医が最新知識のアップデートを行っているかは非常に重視しています。
この点は歯科医個人個人の意識の差がかなり表れるところです。
10年遅れた知識で診察されるのは本当に嫌ですよね。
この点を判断するために、私はその先生が英語をしゃべれるかどうかを最低基準としています。
最新の医療情報は、英語の論文を通して入ってきますので、英語ができなければ最新情報を入手することはできません。日本語の情報は少し遅れて入ってきます。
私の場合、この基準は今のところ良く機能していると思います。
英語ができるかどうかはホームページ等で確認します。
英語での診療をやっているのが一番良いですが、留学経験等でも確認できるかと思います。
また、お年を召された先生は知識のアップデートという点で少し注意する必要があると思います。
「歯科衛生士が辞めずに長く働いている」について
こちらは本を読んで知った知識ですが、歯科衛生士さんが辞めずに長く働いていることは、良い歯医者である確率が高いそうです。
歯科衛生士はかなり人手不足です。
求人倍率は約20倍で、求職者数に対して求人数がとても多くなっています。
歯科医院も歯科衛生士を確保することがかなり大変な状況です。
そんな中、歯科衛生士が長く働いているということは、
- その歯科医院の労働環境が良い
- 研修制度がしっかりしており、やりがいや成長を感じることができる
といった環境である確率が高いです。
HPでスタッフが紹介されている場合、この点を確認してみましょう。
歯科医や歯科衛生士との相性について
こちらは歯医者に行った後にしかわかりません。
フィーリングはとても大事です。
「歯医者さんや歯科衛生士が自分に合っていない」と思ったり、「なんとなく嫌だな」と思ったら、その歯科医院はやめた方が良いです。
人類の長い歴史の中で獲得し、私達を死から守ってきた直感という能力を信じましょう。
「(治療がある際)複数の治療方針を紹介し、それぞれのメリットとデメリットを説明してくれる」について
患者がしっかりとした情報を与えられ納得し同意した上で治療を行なっていることも重要です。
これをインフォームドコンセントといい、医療現場でも大変重要です。
しっかりとしたインフォームドコンセントなしで治療をしてしまうと不信感しか生まれません。
私の経験上、医師や歯科医師との相性が良くないと思った場合、フォームドコンセントがしっかりしていなかったり、治療の満足度もそこまで高くなかったことが多かったです。
「骨が腐っている」や「病巣があり、放置するとどんどん周囲の骨が溶けていく」といった脅し文句を使うような歯科医師は要注意です。
冒頭でもお伝えしましたが、歯科医師のスキルや能力は個人個人でかなり違います。
少しでも不信感や疑問があればセカンドオピニオンやサードオピニオンを活用するべきです。
歯科医院選びの基準まとめ
以上、基準をまとめますと:
- 感染対策が十分されている。
- 最新の歯科医療情報をアップデートしている。
- 歯科衛生士が辞めずに長く働いている。
- 歯科医や歯科衛生士が自分にあっている。
- +α (治療がある際は)
複数の治療方針を紹介し、それぞれのメリットとデメリットをしっかり説明してくれる
次に、これらの基準で歯科医院を探していきます。
歯科医院を探す
ここまで歯科医院を選ぶ基準を書いてきましたが、このような歯科医院を探すのは結構大変です。
しかし、頑張って探し出すと利益が大きいので、頑張りましょう。
1度見つけてしまえばそこに通うだけです。
私も頑張って良い歯科医院を探し出すことができました。
歯医者の探し方
以下のような方法で可能な限り情報を集めます。
- 近所の人に聞く
- 大家さんに聞く
- ご近所SNS「マチマチ」で聞く
- インターネットで探す
- 歯科医院のHPで基準を確認
詳しく見ていきます。
近所の人に聞く
ご近所さんに評判の歯医者さんを聞くことは、かなりオススメです。
病院や歯医者さんの口コミは結構良い情報になります。
歯医者だけではなく内科や小児科等、遠慮なく情報を聞き出しましょう。
良い情報はもちろんのこと、ダメな歯医者や病院も教えてくれますのでかなり参考になります。
ご近所さんとも親しくなれるため一石二鳥です。
大家さんに聞く
大家さんが近所に住んでいたり、近くで商売をしている場合、大家さんは長くその地域に住んでいるということになります。
長く住んでいれば良い病院や歯医者さんの情報が自ずと入ってきますので、良い情報を持っている可能性が非常に高いです。
大家さんと顔合わせる機会があれば、良い歯医者さんがないか聞いてみましょう。
こちらも大家さんと親しくなれますので、契約更新の際に家賃の値下げ交渉がしやすくなりますよ笑。
ご近所SNS「マチマチ」で聞く
ご近所の情報交換ができるSNS「マチマチ」をご存知でしょうか。
マチマチでは自分の住んでいる地域を登録すると、その地域に関する情報交換や相談ができるようになります。こちらでおすすめの歯医者を質問したら意外と良い情報が手に入ります。
LINEやFacebookのアカウントでもログインでき、投稿も簡単ですのでおすすめの歯医者を聞いてみてはいかがでしょうか。
質問する際のポイントは、どのような目的で歯医者を探しているか、具体的に記載することです。そうすると良い回答が得られます。
例えば「歯周病予防のための歯医者を探している」等です。
「インターネットで探す」、「歯科医院のHPで基準を確認」
最後はネットで探しましょう。
片っ端から歯医者さんのホームページを確認し、基準に合っているかどうかをチェックしていきます。また、その歯科医院が外来環の届出をしているかも上記の方法で確認します。
気になった歯医者さんだけいくつかピックアップしておき、最後に比べてみましょう。
ここが一番大変なところですが、良い歯医者を探すために頑張りましょう!!!
まとめ
私が歯科医院を選ぶ基準は以下の4点+αです。
- 感染対策が十分されている。
- 最新の歯科医療情報をアップデートしている。
- 歯科衛生士が辞めずに長く働いている。
- 歯科医や歯科衛生士が自分にあっている。
- +α (治療がある際は)
複数の治療方針を紹介し、それぞれのメリットとデメリットをしっかり説明してくれる
具体的な歯医者の探し方は以下です:
- 近所の人に聞く
- 大家さんに聞く
- ご近所SNS「マチマチ」で聞く
- インターネットで探す
- 歯科医院のHPで基準を確認
かなり時間のかかる地道な作業ですが、それだけの価値は必ずありますので頑張って自分に合った歯医者さんを探しましょう!