『あなたは「がん」です』と言われた際、パニックになって合理的な判断ができなくなると思いませんか?
そんな時、最適な治療を受けるために、事前に予備知識を備えておくことはとても重要です。
今回、「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療」という本を読んで、がんの治療や予防検診についての最新の知識をアップデートし、がんにかかった際の動き方が分かりましたので、紹介します。
はじめに
以下の記事でも書いたようにがんは日本人の死因の第1位となっています。
そのため、健康長寿のためには、がんとうまくつきあっていく必要があります。
その上で今回紹介する「最高のがん治療」という本はエビデンスベースで現在わかっている「がん」についての様々な情報がまとめられており、大変参考になりました。
本の内容は大きく分けて以下の三つです。
- がん治療について
- どうやってがんを見つけるか
- がんの防ぎ方
この中でも今回はがんになった時にどのように動くか、どんな治療を選択するかというポイントが見えましたので、まとめます。
なお、がんの予防とがんの見つけ方については、別の記事でまとめようと思います。
がんになった時にどう動くか
もし、自分や家族ががんになった際は、まず、この本を読み直そうかと思います。
本の中でのポイントは2点:
- 「標準治療」を選ぶ
- 「がん診療連携拠点病院」で「腫瘍内科医」にかかる
になります。詳しく見ていきます。
「標準治療」を選ぶ
保険適用の標準治療は、治験という厳しいプロセスを通過して選ばれた日本代表選手並のスーパーエリートな治療法であることが強調されていました。
標準治療には治験のフェーズ3で好成績を残したという科学的根拠(エビデンス)があります。
私も臨床開発職なので理解はしていましたが、改めて標準治療の大切さを認識できました。
また、代替治療は科学的根拠がないことがほとんどだそうです。
「がん診療連携拠点病院」で「腫瘍内科医」にかかる
ポイントの2つ目は、外科医でなく腫瘍内科医にかかることが超重要ということです。
日本での抗がん剤治療の多くは、腫瘍内科医ではなく、外科医によって行われているそうです!!
しかし、抗がん剤を使用する医師は副作用をきちんと管理できるがんの専門家である腫瘍内科医であるべきと著者らは述べています。
日本の腫瘍内科医はアメリカの13分の1しかいません。人口比約2.6倍を考慮しても圧倒的に少ない数ですね。
抗がん剤治療で重要な事は、副作用を恐れてむやみに抗がん剤を減量してしまわないこと。
副作用を恐れて中途半端に投与量を減らすと、がんに対する効果も弱まってしまいます。
日本では専門医が少ないこともあり、抗がん剤にあまり詳しくない医師が副作用を恐れて安易に減量投与をしたり、逆に減量せず投与したものの副作用管理がうまくできなかったりする現状があるそうです。
「がん診療連携拠点病院」は国が地域ごとに指定した、がん専門の病院で、その病院の「腫瘍内科医」にかかると良いようです。
「がん診療連携拠点病院」は厚生省のウェブサイトなどで確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html
病院を選ぶには、腫瘍内科医が在籍しているかどうかを確認することが大切です。
以上、本の内容の紹介でした。
患者会について
この本には記載されていませんが、がんにかかった際、そのがんの患者会というものがあるので、そこに入ると良いようです。
患者会には様々な有益な情報が集まっており、活発に情報交換されています。
例えば
- そのがんの治療方法
- 最新の治療法の情報
- 抗がん剤副作用の対処方法
- 怪しい代替治療の情報
等の情報が集まっています。
自分や家族ががんにかかった際は、患者会に入りたいと思います。
まとめ
「最高のがん治療」を読んで、自分や家族ががんになった際の動き方をまとめました。
- 「最高のがん治療」の本を読み直す
- 「標準治療」を選ぶ
- 「がん診療連携拠点病院」で「腫瘍内科医」にかかる
- 患者会に入る
もし本当にがんなった場合、このページを読み返したいと思います。